日「火原先輩」 火「あ、日野ちゃん。こんにちわ」 日「こんにちわ。どうしたんですか? 頭抱えて」 火「それがさー。これ見てくれる?」 日「これ、何ですか?」 火「数字のパズルだって。金やんが解いてみろって。正解したらメシおごってくれるっていうから、頑張ってるんだけど、何がなんだかさっぱりで………」 【問題】 太枠で区切られた9つのマスと縦列、横列及びA〜Iにはそれぞれ1〜9までの数字が一つずつ入ります。数字が重複しないようにマスを全て埋めて、A〜Iのマスの数字の合計を答えなさい。 |
おまけ:火原ver. 「で、何にするんだ?」 「今考えてるから、もう少し待ってよ、金やん」 何でもいいぞと言われた火原はまだ何を食べるのか決めかねていた。何でもいいといわれても、あれもこれも食べたいし美味しそうに見えるのだから、決められない。 とりあえず、多種多様の飲食店が並んでいる通りまで金澤の運転する車でやってきて駐車場に入ったが、車からは一歩も出られずにいる。 「ケーキバイキングとかいいんじゃないか? ちょうど日野もいることだし。日野はそういうの嬉しいだろ」 金澤は後部座席に座る香穂子を振り返った。その手は無意識に煙草を箱から一本出したり仕舞ったりしている。 「だっ、ダメだよ!」 香穂子が口を開く前に、火原が狭い車内いっぱいに声を響かせた。 金澤も香穂子もその声の大きさに呆気にとられる。 「………声がでかすぎる」 「ごめん」 不機嫌そうに金澤に言われ、しゅんとしてすぐに謝る。 「でも、ケーキはダメ! 絶対にダメ!!」 「解った、解った! お前さんが駄目だって言うんなら、行かないさ」 身を乗り出して金澤の発言に断固反対し続ける火原を宥めるように肩を軽く叩いてやりながら、金澤は自分の意見を引っ込めた。 「しかし、何でそんなに嫌がるんだ」 それは別に答えを求めているような口ぶりではなく、そして小声だったので火原も敢えて応えなかった。 その代わり、心の中で呟く。 ―――だって、おれがケーキをごちそうしたいんだから。好きな女の子にはさ。 |